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【本】名著「to the Bar」成田一徹著 酒好き&バー好きは単行本と文庫本の2冊を必ず所有するその理由

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 成田一徹(なりたいってつ)氏著作の「to the Bar」という本。このブログではいろいろな酒の本を紹介して来ましたが、実はこの「to the Bar」についてまだ書いてませんでした。

 著者の成田一徹さんは1949年(昭和24年)生まれで、日本における切り絵作家、そしてバーの評論が有名な方です。1988年に切り絵作家として独立され、数々の切り絵の作品を発表されています。そして我々酒好き・バー好きには、切り絵と粋な文章で、店の空気と主人の魅力を味わい深く伝えるバー評論作家として有名であり、酒場やバーで成田一徹さんの著作について話題になることも少なくありません。なおとても残念ですが成田氏は2012年10月に他界されています。

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 to the Barは単行本と文庫本が出版されています。というか、されていました。今は残念ながらどちらも品切れです。朝日文庫版はほんとつい最近までAmazonでも普通に売られていたはずですが、まさかの版元品切れになっています。

単行本:to the bar 日本のBAR64選 定価:1890円 発売日:1998年11月 著者:成田一徹 出版社:成星出版
文庫本:THE BAR 日本のBAR74選 定価:567円 発売日:2006年01月 著者:成田一徹 出版社:朝日新聞出版

そんなにプレミア価格って訳でもありませんが、中古本でも定価よりは少し高めな値段設定のようです。


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 この本は東京、横浜、大阪、神戸、京都のBar(バー)の中から厳選された店(単行本64選、文庫本74選)を成田一徹さんが切り絵と文章で、そのバーの雰囲気と主人の魅力を語っていくスタイルです。上の写真のように基本的には単行本と文庫本、双方に掲載されている店は同じ感じなのですが、切り絵の配置が異なっていたり、文章が一部追加・削除されている部分があります。

 文庫本は単行本の7年後に発売された改訂版ですので、お店の数も多いのですが、なんと言っても切り絵が残念です。小さいのは仕方ないにしろ、本の「のど」に切り絵が喰いこんでおり、それが残念すぎる感じです。ということもあり、オリジナルの単行本は手放せません。


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 ただ一部のバーでは上のページのように、切り絵が新たに作られているんですよね。やはり「単行本と比較して情報が新しい」「単行本にはない絵が収録されている」ということで、文庫本も手放せません。


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 そして単行本には既に閉店になってしまったバーや、他界された名バーテンダーさんの切り絵も掲載されていますので(文庫本でも店のリストはあり)、なおのこと単行本は宝物になります。僕は単行本2冊、文庫本2冊、すべて中古本(古本)で入手しましたが、電子化は絶望的でしょうし、このような切り絵が掲載されている本は、まだまだ紙の本として所蔵しておきたいと思ってます。

 上のページは、2003年11月、惜しまれながら55年の歴史に幕を下ろした「クール」。写真はホワイトバランスが少しおかしくてオレンジがかっていますが、文章が書かれている紙の色は白になります。


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 そして太田和彦さんの著作は「日本のバーをゆく」である。こちらは2011年発行なので、まだまだ品切れということもなく、Kindle版もあるようです。元々小説現代で連載されていた「バーのある街へ」を改題して加筆修正しまとめたもの。札幌・やまざき、秋田・レディ、宇都宮・TANAKA、横浜・スリーマティーニ、沼津・フランク、松本・サイドカー、金沢・倫敦屋、京都・祇園サンボア、大阪・堂島サンボア、神戸・サヴォイ北野坂、高知・コリンズバー、福岡・オスカー、鹿児島・池田バー、沖縄・ヴィンテージ、銀座・テンダー、厳選33店が掲載されています。

 月刊誌の連載ということもあり、記事のボリュームはあっさりめですが、切り絵は成田一徹氏!


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 残念ながらバー単位での切り絵の掲載ではないのですが、地方ごとに1店舗づつの切り絵が掲載されています。上の写真は京都・祇園サンボア。上が「to the bar 日本のBAR64選」、下が「日本のバーをゆく」。


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 「to the bar 日本のBAR64選」と「TO THE BAR 日本のBAR74選」の2冊は、どちらも状態が良い物を安く入手することはとても難しいのですが、まぁまぁの価格でそれなりの状態のものが手に入ると、なんだかとっても嬉しいのです。私は著者のサイン(宛名個人名無し)が入ったものが入手できたので、少し嬉しかったです。(誰かが書いたものじゃないことを祈ってますw)

 酒好き、バー好き、本好き、そしてなんとなくジャズ好きの方は是非入手してみてください。


 以上です。



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