ドラマ『あの子の子ども』 #05

さすがにこの回だけは、ただただクリニックの医師である野田役の板谷由夏の冷静な対応の中にある、温かさと優しさを感じるエピソードだった。

まず野田から福(さち)が妊娠5週後半から6週めであることが伝えられる。そこで野田は「川上さん、これだけは覚えておいてください。あなたがどんな選択をしても責める権利はありません」と迷うことなく言い切る。

この言葉が発せられた瞬間、福もそうなんだけど、我々視聴者がまず救われた瞬間だった。

そしてこのドラマでも「中絶は新しい命を奪う行為」というパワーワードが出てきており、別のドラマでも「殺した」というストレート過ぎる表現が出てくる。

でも高校生である福に対して野田は「それは今のあなたには必要な言葉ではないですね」と伝える。

野田という医師の言葉の一つ一つは、福に対してとても優しさをもって寄り添っていく。

ただ現実はどうなんだろうか。

ドラマとしてはこの回の野田医師の言葉は素晴らしいし、誰もが感動する言動でもある。

ドラマだからそれでいいのだろうけど、野田医師の対応の仕方がスタンダードだと感じてしまうと、現実はなかなか厳しいのではないか、と不安になった瞬間もあった。

 

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