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Rocketboy Digital

お酒とカメラと音楽が好きです

男なら読んでおきたい酒の本 10選

 僕が愛読している「酒の本」を本棚から引っ張りだしてきました。写真に写っているは25冊ぐらいですが、太田和彦さんの著作なんかはまだまだありますし、居酒屋紀行や家飲みおつまみ本的なものを含めると結構な冊数になります。こういう酒の本ってなかなか電子書籍にならないので、かなり本棚のスペースを取ってしまうのですが、家飲みする時に読むと楽しいのです。

本当はすべてがオススメなのですが、厳選して10冊ご紹介します。


闘う純米酒-神亀ひこ孫物語 

醸造用アルコールが添加された酒が、今なお主流の座を占めるなか、「酒は純米酒」を決意して立ち上がった酒蔵がある。酒どころとはいい難い埼玉県蓮田市の小さな蔵元、神亀酒造だ。四半世紀に及ぶ、その知られざる闘いに迫った初のノンフィクション。(Amazon 「BOOK」データベースより)

醸造用アルコールを添加した淡麗辛口の吟醸酒がブームだった時代、1987年、清酒製造量のすべてを純米酒に切り替えた、埼玉県蓮田の神亀酒造、七代目蔵元、小川原良征(おがわはらよしまさ)氏のドキュメント。必読です。

業界からの批判や税務署からの圧力との闘い、そして何故「純米酒」にこだわり続けたのか、そして「ひこ孫」という3年寝かせた辛口の銘酒誕生の物語。これを読むと必ず純米酒を飲みたくなります。醸造用アルコールに糖類と人工調味料を加える三倍増醸酒より、純米酒のみを追い求めたくなります。

 平凡社ライブラリーで文庫になっているようですが、単行本の方が装丁が素晴らしいのでオススメです。

闘う純米酒 神亀ひこ孫物語

闘う純米酒 神亀ひこ孫物語

新版 闘う純米酒 (平凡社ライブラリー)

新版 闘う純米酒 (平凡社ライブラリー)

 

愛と情熱の日本酒-魂をゆさぶる造り酒屋たち

「味」と「質」で驚くべき発展を遂げ、いまなお進化し続けている日本酒。その創造の裏にはドラマがあり、造り手の熱い思いがある。喜久醉、醸し人九平次、凱陣、王祿、奥播磨、十四代、飛露喜、秋鹿、磯自慢…いまやその名が世界に轟く銘酒の、造り手たちを丹念に取材したルポルタージュ、増補改訂版 。蔵元をめぐって25年の著者が綴る、愛と涙の銘酒物語。著者厳選、最新版「おすすめ114銘柄リスト」付き(Amazon 「BOOK」データベースより)

 造り酒屋に生まれた若い蔵元たちが挑み続ける「自己表現としての酒造り」。「十四代」「醸し人九平次」「飛露喜」「奥播磨」「磯自慢」を始めとする9蔵それぞれに深いドラマがあり、心を揺さぶられる物語があるのです。それが心をうちます。

ついに昭和48年の日本酒ブームのピークから今は販売量も半分、焼酎より下回っています。だからこそ蔵元の若い跡継ぎ達はその危機感をバネに、作り手の意識改革、ものづくりへの熱意、伝統産業に関わる者の誇り、まさにタイトル通り愛と情熱、愛と涙の日本酒ルポです。必読です。

私はもちろん単行本ですが、巻末のいま飲むべき100銘柄リストと全国酒販店リストが更新されていれば、文庫も買わないといけませんね。

愛と情熱の日本酒

愛と情熱の日本酒

愛と情熱の日本酒 魂をゆさぶる造り酒屋たち (ちくま文庫)

愛と情熱の日本酒 魂をゆさぶる造り酒屋たち (ちくま文庫)

 

挑戦する酒蔵-本物の日本酒をもとめて

本書では、全国各地の蔵の中から、「純米酒」「伝統杜氏」「熟成酒」「地域おこし」をキーワードに、七つの蔵を取り上げた。どこも伝統を重んじ、酒造りに対するこだわりと、あくなき探求心、それに何より大手酒造メーカーには見られない創意工夫に溢れた“本物”の蔵である。(Amazon「BOOK」データベースより) 

3冊めも日本酒。やはり日本酒の販売量を取り戻すためには、このようなドキュメンタリー、ルポルタージュをいつでも気軽に読めるような環境(文庫化、電子化等)が欲しいです。読めば絶対に日本酒が飲みたくなるし、「日本酒は翌日残るから」「日本酒は悪酔いするから」「臭いから」という都市伝説をまずは払拭しないといけないと感じてます。

 この「挑戦する酒蔵-本物の日本酒をもとめて」も7蔵が取り上げられているのですが、中でも白木恒助商店の六代目白木善次氏の章が熱い、激アツです。ここも長期熟成酒に徹底的にこだわった頑固オヤジの蔵元。吟醸酒は原料である米の特性を封じ込めることに力を入れている極めて例外的な酒である、と言い放ち、原料の米を6割、7割も削って削って造るなんて世界中の酒造りの中でも異常なことと言い切る。確かにそうです。世界中の酒はいかに原料特性を出しているかが大切な考え方ですよね。やはりこの本を読んでも純米酒が飲みたくなります。

 まずは日本酒関連、以上3冊、僕にとっては単行本として、いつまでも手元に置いておきたい酒の本です。

挑戦する酒蔵―本物の日本酒をもとめて

挑戦する酒蔵―本物の日本酒をもとめて

  • 作者: 世古一穂,吉岡幸彦,土田修,中島秀雄,酒蔵環境研究会
  • 出版社/メーカー: 農山漁村文化協会
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: 単行本
  • 購入: 1人 クリック: 4回
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ケンタッキー・バーボン紀行

ウイスキー関連の書籍も、いろいろと出版されていますが、個人的にバーボン好きということもあり、古本でしか入手できませんが是非この本を。「バーボン」の名品の故郷を訪ねて、その酒にまつわる話を聞くというウイスキー紀行です。

ワイルド・ターキー、ジム・ビーム、メーカーズ・マーク、I.W.ハーパー、ジャック・ダニエル、ジョージア・ムーン等々、ケンタッキーやテネシーを訪れて、バーボンにまつわる様々な歴史、その土地・土地ごとのストーリー・ドラマがとても興味深く参考になります。あと写真がとても美しく素晴らしいのです。装丁も素敵なのでバーボン好きの方なら、是非古本で探す価値ありです。

ケンタッキー・バーボン紀行

ケンタッキー・バーボン紀行

 

スコットランド旅の物語

「世界のウイスキーライター5人」に選ばれた土屋守氏のウイスキーに関する著作本はどれも面白く手元に置いておきたくなります。中でも、シングルモルトを愉しむ(光文社新書)ウイスキー通(新潮選書)スコッチ三昧 (新潮選書)等はスコッチの最新事情や、ウイスキー全般の現状もわかりやすく解説していて参考になります。ただちょっと教科書的な感じもするため、今回はスコットランド全般の魅力を伝える「スコットランド旅の物語」にしました。

日本でもスコットランドは、ウィスキー、ケルト、タータン、「蛍の光」でなじみの深い、でもちょっと遠くてなかなか行くことが出来ない場所ですよね。この本では、スコットランドのエジンバラを巡る物語、ロバート・バーンズの生涯、アイラ島・アラン島紀行、そして伝統料理の紹介等、かなり広範囲に渡ってスコットランドの魅力を紹介しています。非常に興味深く、これまた写真がとても美しいのです。

スコットランド旅の物語

スコットランド旅の物語

 

日本の名随筆「酒」「肴」

「日本の名随筆」という200巻におよぶテーマ別の集大成を(こっそりと)コツコツ集めています。いわゆる「人生の達人」による珠玉の随筆を厳選して、各巻におおよそ30編が収録されています。 巻末に編者あとがきと執筆者の紹介、出典、そして関連するブックガイドが収載されているのが嬉しいのです。

その中でも「酒」関連ということであればこの2冊は持っておきたいです。田村隆一編「酒」と池波正太郎編の「肴」。収録されている作品は「酒」であればここ、「肴」であればここで、チェック出来ます。収録タイトルを見るだけで興味深く読みたくなりますよね。

実は他にも「釣」「将棋」「野球」「蕎麦」も持っていて、あまり人気もないようなのでAmazonのマーケットプレイスでコツコツ収集してました。とにかく古い本なので状態がいいのが出てくるのは稀なのですが、いろいろな作家の酒にまつわるエッセイが気軽に読めて楽しいのです。

日本の名随筆 (11) 酒

日本の名随筆 (11) 酒

日本の名随筆 (26)

日本の名随筆 (26)

 

太田和彦氏著作の3冊

最後はやはり太田和彦さんの著作になりますよね。居酒屋紀行と言えば太田さんですし、僕もほぼすべての著作をコレクションしています。実を言うと本の中で紹介されている居酒屋は少しお高く、高級店も少なくないので、いつも通えるお店って感じではないのです。ただ全国の居酒屋にまつわるお話ですので、通えないからこそ、いつかは行くぞ!と思いながら、ページをめくるのがいいんですよね。

 

居酒屋酒屋百名山

「居酒屋酒屋百名山」 (新潮文庫)は待望の文庫化。北海道から沖縄まで日本全国の居酒屋の名店が紹介されており、居酒屋を巡る旅に誰もが出たくなります。歴史あるお店と、そこに集まる人々が織りなす居心地の良さが伝わってくるとてもいい本。これは旅に出るときに持ち歩くため文庫化は大歓迎。電子化も是非お願いします。

居酒屋百名山 (新潮文庫)

居酒屋百名山 (新潮文庫)

 

ひとり旅ひとり酒

「ひとり旅ひとり酒」 は、居酒屋伝道師、太田和彦氏著作の中でもベスト3確実、いやもしかしたらベストワンかもしれません。雑誌「西の旅」の連載をまとめたもので、京都、金沢、境港、和歌山、広島、富山、博多、松江、大阪ミナミ、岡山、 長崎、高知、小浜、益田、佐世保、鹿児島、長浜、倉敷、松山、神戸の西日本20都市、そしてひとり酒の銘店が200店。粋な文章と素晴らしい写真で綴られていますが、掲載されている写真が本当にいいのです。

ただのお店紹介ではなく、人と人との物語ですので、とても気持ちよく読みすすめられます。太田和彦さん著作の中でも文句なしに傑作だと思います。

ひとり旅ひとり酒

ひとり旅ひとり酒

 

黄金座の物語

「黄金座の物語」 は太田和彦さんの小説。これが素晴らしい。ある町に1週間に1日開く映画館・黄金座(こがねざ)があり、そこは昔の日本映画ばかりかけています。著者の分身「私」は公務員、仕事関連でたまたま住むことになった隣町で「黄金座」を見つけ、全然興味のなかった日本映画の魅力にひきこまれていきます。映画を見た後は居酒屋「銀月」に寄り、お店の常連である平山先生(笠智衆似)と今見て来た映画の話をするのです。平山先生の娘さんはが原節子似です(笑)「銀月」の大将は加藤大介似(爆笑)です。もうこの世界、たまりません!これは良質のファンタジー小説だと思います。

主人公「私」が見た映画は 「歌女おぼえ書」「按摩と女」「花形選手」「家庭日記」「簪(かんざし)」「小原庄助さん」「お絹と番頭」「絹代の初恋」「花籠の歌」「化粧雪」「樋口一葉」「鶴八鶴次郎」「妻よ薔薇のやうに」「噂の娘」「兄とその妹」「隣の八重ちゃん」「婚約三羽烏」「男性対女性」「晩春」等、清水宏、成瀬巳喜男、島津保次郎、小津安二郎ら往年の名監督の作品群。あまりにも自分が観ていない作品ばかりで、もっともっと古い日本映画を観ないといけないなぁ、と読むたびに思っています。神保町シアターにまた通います。

黄金座の物語

黄金座の物語

 

酒の本 10選

版元品切れの書籍が多く、入手しづらいものばかりで申し訳ありません。共通することは、人と人とが自然とつくリ出すドラマ、ストーリーはとても美しいということ。そして素敵な写真を見ることで、よりイメージが膨らんできて、何故かその土地に行きたくなるのです。

他に一番上の写真に写っている中では、「酒と涙と男と天ぷら―横浜好日・天吉日和」はサザンの原由子さんのお兄さんの著作、「日本酒(岩波新書)」は科学的に日本酒の魅力を語るこれも名著。まだまだオススメしたい酒の本はたくさんあります。

 

さてさて、今晩も家飲みです。誰にも邪魔されず、自分の好きな酒を飲みながら、酒の本を読みながら、そして途中から日本映画チャンネルを観ながらクイクイいってます。

日本酒 (岩波新書)

日本酒 (岩波新書)