雑誌WIRED VOL.8が発売されました。私にとって発売日が待ち遠しい雑誌の一つで、VOL.8のテーマは「これからの音楽 - 21世紀をサヴァイヴするコンテンツビジネス」。
実は、私自身、かなり(洋楽の)CDを買う人です。新譜は月10枚、中古も月20枚ぐらい買うので、ちょっと普通じゃないかもしれません。
でも私の周りにCDを買う人なんてまずいないし、iTunesでダウンロード購入して聴いてる人もほぼいません。
音楽を(CD、ダウンロード問わず)普段買わない人に音楽を買ってもらうのは非常に難しい事だと思うんです。というか、普段CDを買わない人にCDを買わせるのは、ほぼ絶望的に近いと感じてます。
それよりも、年に数枚は買う人、そして私みたく何十枚買う人、ここにターゲットを当てるべきだと思うんです。
そのためのインフラが日本ではかなり遅れていると感じてます。
まず私たちCDを買う人たち(ダウンロードする人たち)は、とにかくフルで曲を視聴したいんです。CD屋で試聴機があれば、あっという間に数時間経ってしまった・・・なんていつもの事です。ネット上で、フルで曲を聴かれちゃうと、なんらかの方法で保存されて、CDを買ってくれない・・・って日本のレコード会社が本気で考えているのであれば、それは違います。
とにかく、CDを買う私らは、今以上にもっともっと新しい音楽に触れたいし、そういう機会、そういうインフラが切実に欲しい。低ビットレートでも全然構わないんだから、まずは今まで聴いたこと無い、新しい音楽をフルで聴かせて欲しいんですよね。
もちろん雑誌のレビューだけで買っちゃうこともありますけど、やっぱりフルで試聴できることが本当に大切。音を聴かないことには正直「買う」という行為、いや「検討」にまで至らないことの方が多いかもしれません。
今回のWIREDの特集では「新しい音楽との出合いをもたらす、6つのインフラ 音楽エコシステムの現在進行形」というミニ特集があり、
少なくとも(日本以外の)世界でのリスナーは、「好きに違いない未知なる音楽」と、より自然に出合える環境を享受し始めているという現状認識。そして、そのなかでも代表的な6つのサービスが、インフラとして音楽ビジネスにもたらしている影響を考察しています。
うらやましいです。
いずれのサービスも日本への上陸は難しいという事にもこの特集は言及されており、日本では「著作権」と「パフォーミングライツ」という大きな課題が二つあり、既得権者らの枠組みを破るのは・・・かなり絶望的。
でも繰り返しになりますが、普段音楽にお金を出さない層を開拓するより、ごくごく普通にCDを買ったり、数十枚買ったり、高音質ダウンロードや、PCオーディオにハマっている私たちに、もっともっと新しい音楽を聴かせることは必要だと思うんです。
オフィシャルに上がってるMP3をダウンロードして試聴しても、気に入ればCDは買う、旧譜も買うかもしれない、ただ気に入らなければ買わない。それだけのことです。
とにかく、もっともっと音楽を耳にする機会を増やしてくれないと、私達も買わないし、CDを買わない層に買わせるなんて、ほぼ無理。ただ今回の特集を読んで、日本にいる限り、その希望は達成されないんだな・・・という事が確信に変わってしまったのです。