出演者は熱演。でも脚本と演出はかなり自己中心的で、礼儀を重んじず、不誠実な感じがずっと続いていく第1話だったと思う。
小芝風花と大島優子のバディものと聞けば、もう面白さは間違いないし、それは期待通りで、コメディ部分はとても面白かった。
でもやっぱり身元不明の御遺体を特定し、関係者のもとへ帰すという「警視庁身元不明人相談室」の捜査官であるわけだから、「これは自殺じゃない」という勝手な思い込みのみで休みを取って聞き込みを進めていく、その自意識過剰な姿に違和感がある。
「笑うマトリョーシカ」の道上もそうなんだけど、真相を解明したいという独り善がりで、関係者の心の中にぐいぐいと入り込んでいく姿は、ほんと見ていて共感できないんですよ。
特にいちばん許せないのは遺族に対してなんの配慮もなく、自分の自殺未遂の状況から自殺ではないと言い放ったり、真相を究明したいという勝手な探求心だけで、何度も何度も失礼な行動で攻め続けていく。
もちろん小芝風花、大島優子は熱演しているし、しっかり笑える場面もあるのだけど、そのミステリ要素とコメディ要素が、うまくかみ合っていないので、モヤモヤしながら見続けていくことになる。
それで最後に「これで良かったのかな・・・」ってまとめれば一件落着なんですかね。
これは作り手たち(脚本、プロデューサー、演出)が、遺族たちの思いよりも、捜査官の思いを優先させているわけで、そういう人たちが作っているんだな、と認識しながら見るドラマなのでしょう。