クドカンの脚本が文句なしに素晴らしい。
オーバードーズ癖とホスト狂いに対して、明確にメッセージを発信し、ドラマとしてとても丁寧に描いていく。
そして自殺にも触れながら、飛び降りるぐらいでは死なない、そして死んだら悲しい、という普段あまり触れられない感情までをも発信する。
死にたい、と思う少女たちの心の中に、遠慮なく踏み込んでいきながら、正直に自分の気持ちを伝えていくヨウコ先生がとても頼もしく、何より役を超えて小池栄子の立ち振る舞いに感動する。
一方高峰享役の仲野太賀は今一つ煮え切らない。チャラくて金儲け主義から抜け出したようで、まだまだ不安要素が充満している感じがする。でも確実に変わってきている。今後もヨウコ先生に影響されながら進んでいくのだろう。
今回はオーバードーズ癖とホスト狂いに焦点を充てながら、死という結論を考えていく少女たちに対し、5階建ての屋上から飛び降りても30%しか死なない、それはわしがおるからじゃ、という強いメッセージを残しつつ、その後遺症をもしっかりと見せる。
その演出・脚本共に素晴らしいと感じた。
もちろんクドカン作品に登場した窪塚洋介のことがあるからこそ、敢えて書いたのかもしれないし、彼なんか9階から転落しても生きている現実があるわけです。
人はそうそう死なない、でも死ぬ人もいる、それは「ぼっけぇ悲しい」ことなんだ、という思いが見事なまでにこちらの感情を揺さぶってくる。
そして随所に張り巡らされた小さなドラマ。鼻の中から栞のテーマ、迂回の話、ペヤングネタ、そしてラストのふりかけ。どれもが小粒だけど1つ1つが立っているので、こちら側にもしっかりと届いてくる。
細貝圭さん、お疲れさまでした!