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【酒】居酒屋における屋号について

屋号とは

 居酒屋の店名の事を屋号とよく言う。新明解国語辞典で調べてみると

やごう【屋号】
㊀商店や歌舞伎(カブキ)役者などの、家を指す呼び名。㊁〔都市や北海道以外で〕一般に家を指す呼び名。姓の代りに用いられる。 #新明解国語辞典第七版より

とある。要は商店の呼び名、店名を屋号(やごう)と言う。

ひとりで飲みに行こうと決めて知らない街をぶらぶら歩くこともあるが、その居酒屋の佇まいをみて、そして屋号をみる。

姓名の姓が屋号の店

 なんとなく安心できるのが姓名の「姓」を屋号にしている居酒屋だ。ただ本当に苗字なのかは定かではない店もあるのだけど、北千住「大はし」、自由が丘「金田」、秋葉原「赤津加」、浦和「おがわ」、川口「谷ツ田」等、何より記憶に残るし、親しみやすく安心感がある。

 そして姓に「屋」をつけてみると、そこはもう完全に店であり、より一層ディープ感が深まる。これも本当にご主人の苗字かどうかはわからないのだが、赤羽「喜多屋」、月島「岸田屋」、京都「赤垣屋」。なんかこの、グッとくる感がいい。

 日本に多い苗字に「屋」を付けてみると、かなり大衆酒場感がでてくるので、真っ先に1軒目として暖簾をくぐりたくなるのは確か。但し語呂が合わなかったり、既に居酒屋ではない正式な店名もあるので、「屋」を付けていいかは微妙な感じだが・・・「佐藤屋」「鈴木屋」「高橋屋」「田中屋」「伊藤屋」「山本屋」「渡辺屋」「中村屋」等々。

 赤羽の「まるます家」は苗字でも無いようだし、「屋」も「家」なのだけど、この語呂の良さ、言いやすさは突出している。もちろん大阪には居酒屋の聖地「明治屋」がある。

姓名の名が屋号の店

 「シンスケ」「庄助」「銀次」「こう太」「きく蔵」等、これもそのお店の、どなたかのお名前から付けられたのかは分からないのだが、居酒屋には男性の名前がやはり多く、どの屋号も粋でカッコイイ。一方、女性の名前だと一気に業態が変わってくるイメージがあるものの、浦和の「加乃」みたいな硬派な居酒屋も存在する。

酒場が付く屋号

 まず「・・酒場」という屋号であれば入ってみる。堂々と「酒場」ということばを屋号にいれているのだから、その存在感、安心感、そして期待感たるや「(おそらく)間違いない!」と確信してしまう感じがある。

 というのもやはり門前仲町「魚三酒場」、十条「斎藤酒場」、南千住「大林酒場」、庚申塚「庚申酒場」、そして和歌山白浜の「長久酒場」のイメージがあるからかもしれない。僕も自分の居酒屋をオープンするなら「・・酒場」という屋号にしたい。いや思いつきだけど。

 そして先ほどの苗字に今度は酒場を付けてみると・・・「佐藤酒場」「鈴木酒場」「高橋酒場」「田中酒場」「伊藤酒場」「山本酒場」「渡辺酒場」「中村酒場」・・・うん、(馴れてないので少し違和感はあるものの)なんかいい感じはする。

おわりに

 店の前を通って屋号が、なんとなく苗字風、もしくは「酒場」と自己主張をしている店であれば、まず入ってみる。(まったく根拠は無いのだけど)おそらくいい店だとは思うが、ちょっと自分に合わない店だったら、また別の名前の姓か、「酒場」と付く店を探してみる。


 以上です。 


【酒場といえばこの本】