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お酒とカメラと音楽が好きです

【酒】ひとり飲む、京都。銀閣寺を参拝し、赤垣屋を再訪。そして京極スタンドへ。

東山慈照寺(銀閣寺)

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 そもそも観光が苦手ということもあり、京都に来ても観光地巡りはしないつもりだったが、やはり東山慈照寺(銀閣寺)だけには足を運んだ。室町幕府八代将軍の足利義政によって造営された山荘東山殿を起原として、義政が没後、臨済宗の寺院となり、義政の法号慈照院にちなんで慈照寺と名付けられた。ちなみに銀閣寺という名前の由来は、江戸時代、金閣寺に対し、銀閣寺と言われるようになっただけのこと。


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 やはり来てみるとメラメラと撮影意欲が湧いてくる。もう何回シャッターを切ったかも分からないが、RAW+JPGで撮っていたら32GBのCFカードも残り少なくなってしまった。というのも慈照寺の象徴である観音殿(国宝)が圧倒的に美しく素晴らしいからである。一層が心空殿(シンクウデン)、二層が潮音閣(チョウオンカク)、唯一現存する室町期の楼閣庭園建築の代表的建造物である。


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 何だかんだ言っても絵葉書的な構図も撮りたくなる。錦鏡池に逆さ銀閣を狙ったのだけどなんとなく中途半端な結果になってしまった。

赤垣屋

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 さてこの日も二条橋のたもとに位置する「赤垣屋」に再訪した。今回私がとったホテルは烏丸御池周辺だったので、この神宮丸太町まではさすがに距離がある。やはり次回からは何をおいてもこの店の近くにホテルをとるべきだと痛感した次第。

 時間は16時58分。先客らしき人が店の中に入っていったので、私も「ひとりで」と人差し指を立てながら縄のれんをくぐった。今日は2人め。もちろんカウンターならどこでも座れるが、入り口よりのカウンター角に座って瓶ビールを注文した。


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 角のおでん舟に立つお燗番はおそらく「この人昨日も来たな」と感づいてはいる素振りだが、お互いそんな野暮な話はしない。お通しは枝豆。

 開け放った引き戸から強い西日が差し込んできており、そのため写真はこんな感じになる。川端通りの向こうは鴨川であるため、昼はうだるような暑さだったが、この時間は川風が入ってきてとても気持ちがいい。


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 昨日注文できなかった胡麻豆腐をお燗番&おでん担当のお兄さんに注文する。すると板前に立つ主人に伝えられ「胡麻豆腐、ありがとうございます」と主人が復唱する。この連携とテンポが気持ちがいい。写真は直接西日があたるので相変わらずこんな感じに。しかし京都の豆腐はうまい。これなら冷奴も注文するんだった。


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 経木(きょうぎ)の品書きには、きずし、てっぱい、ハモ、と京都らしい料理が並ぶ。ただ、ビールのアテを探していたら、なんだか急に鶏の唐揚げに目が止まってしまい注文してしまった。京都の居酒屋での貴重な1品に鶏の唐揚げを入れるべきかは大いに悩むところだが、赤垣屋が鶏カラをどう仕上げてくるのかが確認したかったのだ、と自分に言い聞かせた。

 写真はまたこんな感じに。この鳥唐、下味がしっかりしているため、ビールにもの凄く合う。量が多くてひとり呑みだとちょっとキツイが、こういう普通の料理が旨い店ってやっぱりいい。


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 そして昨日注文できなかった「かつを」をオーダー。"たたき"にしてみたが大正解。ニンニクもこちらの希望で入れてくれた。酒も日本酒にさっそく切り替えて、脂ののった戻り鰹をゆっくりと堪能できた。


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 日本酒は「名誉冠」を燗で注文。お燗はチロリに酒を入れ、おでん舟に付いている燗付用のお湯に浸け、指で温度を計る。そして酒を徳利に移した後、今度は徳利をもう一度湯に浸し、少したてば燗酒の出来上がりとなる。

 赤垣屋は最初の1杯だけは酌をしてくれる。さっき瓶ビールの時に酌してくれたので、燗酒で2回目だ。こういうちょっとした気遣い、そして億劫にならないあっさりした心遣いってなんだか嬉しいものだ。


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 おでんを注文する。気になっていたロールキャベツをまずはいく。ミートソースっぽい味わいとおでんの出汁がなんだか絶妙に合う。旨い。ナウシカのオームとか決して言わないように。


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 定番の厚揚げもいってみる。さっきの鶏の唐揚げが効いていて、さすがにもう食べられない感じだが・・・ボーっとしながらチビチビ呑んで食べてると自然と無くなるから不思議。しかし赤垣屋では、スマホを見ることもなく、ただボーっと店内や主人の仕事っぷりを見ているのが実に楽しい。なんかここに二人できて呑むとかってイメージ出来ない。


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 とは言いつつ、最後にタコのおでんも。ロールキャベツとタコに関しては、主人の包丁が入る。「ロールキャベツ、切らせていただきます」と律儀に伝えてくれる主人、そして奥の焼き場担当、目の前のお燗番、そしてホール3名(内新人さん1名?)、計従業員5名の無駄のない動き、大きくハッキリした声、そして何気ない気遣い、私みたいな常連でもない一見客に対しても気持ちよく接してくれる赤垣屋は、とても居心地がいい。


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 基本的に長居はよくないと思いつつ、1時間半ぐらいはいてしまった。今度赤垣屋に来れるのはいつになるのか。紅葉の季節は避けて、寒い冬に来れたら来たい。

京極スタンド

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 赤垣屋から祇園まで、歩いていくのか、バスか地下鉄かが、未だはっきりしていないのだが、なんとなく祇園界隈までぶらぶらと歩いてしまうことが多い。祇園に着いたら特に用もないのに花見小路に寄ってしまう。


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 東西はなんらかのバスに乗ればなんとななる、と覚えたので市バスに乗って目指すは新京極の「京極スタンド」。


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 昭和二年開業。戦前モダンがそのまま残る店内では、若者が普通に定食を食べ、その隣で酒を飲むお父さん、という同居スタイルがごくごく普通に展開されているのが面白い。


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 ものは試しと、清酒セット950円というものを注文してみた。


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 月桂冠・清酒1合、日替わり2品、枝豆、やっこ、スパサラ付きのセット。ということは揚げ餃子とハムが日替わりなのか。周りで注文している人が誰もいなかったのが少し寂しいが、確かに2回めは無いような感じもする。


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 それ程安くないのが京都中心街たるゆえんか。京都でいろいろと飲んできて、どうみても地元の人が通う店であるのに、やはり感覚的にそれほど安くないというのが京都の印象。「たつみ」でさえ普通と感じてしまうのは東京・さいたまが、まあまあ安いってことか。


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 メニューに「チーズ」と書いてあったので注文してみた。プロセスチーズにクラッカー。確かにチーズの王道である。400円。


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 燗酒をお代わり。おそらく何も言わなければ月桂冠の一級酒420円になるようだ。プロ野球中継を観ながら、燗酒を呑み、チーズをつまむ、それも京都で。


 赤垣屋で、瓶ビール1本、燗酒2合、京極スタンドで燗酒2合。ちょっと予定外に飛ばしすぎてしまった。京極スタンドを後にして、ペットボトルの水を買ってゴクゴクと飲みながら河原町方面へまた歩き出した。

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【今回お世話になった京都本】

おじさんの京都

おじさんの京都

  • 京阪神Lマガジン
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